更年期障害とは、女性が年齢を経るとともにホルモンバランスが変化することにより体に様々な影響を及ぼす状態を指します。
その様な状態の中で、吐き気や消化器系の不調が症状として発現することもあります。
そうした症状はどういったメカニズムで発生するのでしょうか?また、どのように対処すればよいのでしょうか?
更年期は、閉経前後5年ずつの期間を指し、一般的には45歳~55歳前後のことが多いです。
更年期は体内のエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少し、それにより体や心に様々な不調が出現します。
この不調を「更年期症状」と呼び、更年期症状を抱える人の中で特に重い症状が現れる場合を更年期障害と言います。
更年期は全女性に訪れ、全女性の約6割に何かしらの更年期症状が発生します。
突然のほてりや頭痛、倦怠感、不眠といった身体的な症状に加え、落ち込みや不安、そして「いらいら」といった精神的な症状もあるため、更年期症状の具体的な症状はは人により様々です。
ホルモンバランスの変化は、胃や腸といった消化器官にも影響を及ぼします。
エストロゲンの低下により、胃酸の分泌が過度に増えたり、胃や腸の動きが活発化することで、吐き気や胃の不快感を感じることがあります。
消化器系の症状は更年期障害による症状として見落とされがちですが、実は多くの女性が体験しています。
こういった吐き気を始めとした消化器系の症状を和らげるためには、食生活の見直しや適度な運動など生活習慣の見直しをおこなうことが有効になります。
特に、脂っこい食事やカフェイン、アルコールは胃を刺激するため控えめにすることを心掛けることが大切です。
そして、ウォーキングやヨガなどの軽度な負荷の運動を日常生活に取り入れることで、症状の改善が見込まれるでしょう。
また、ストレスを溜めず、規則正しい生活を心掛けることも大切です。
漢方薬も更年期障害の症状を和らげる有効な手段です。
例えば、消化器系の症状には「六君子湯」や「半夏瀉心湯」といった漢方薬が用いられることがあります。
これらの漢方は胃腸を始めとする消化器の働きを助け、正常な状態に近づけていくことを促す効果があります。
ただし、漢方薬は個々人により合うもの、合わないものがあることから自己判断での服用は避け、必ず医師の診察を受診した上で服用することを推奨します。
多くの女性が、更年期の吐き気やその他の消化器系の症状が現れることを経験しています。
その原因を理解し、適切な対処法を取ることで、更年期をより快適に過ごすことができます。
自身の身体と向き合い、自分に合った方法を見つけていきましょう。
そして何より、自分一人で抱え込むことなく、医師を始めとする専門家と共に適切な対策を見つけ出していくことが重要です。