女性が更年期に突入すると、身体や心に様々な変化が訪れます。
その中でも特に深刻な問題となるのが関節痛です。更年期障害と関節痛の関係、その原因や対策について、詳しく見ていきましょう。
更年期は、閉経前後5年ずつの期間を指し、一般的には45歳~55歳前後のことが多いです。
更年期は体内のエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少し、それにより体や心に様々な不調が出現します。
この不調を「更年期症状」と呼び、更年期症状を抱える人の中で特に重い症状が現れる場合を更年期障害と言います。
更年期は全女性に訪れ、全女性の約6割に何かしらの更年期症状が発生します。
突然のほてりや頭痛、倦怠感、不眠といった身体的な症状に加え、落ち込みや不安、そして「いらいら」といった精神的な症状もあるため、更年期症状の具体的な症状は人により様々です。
更年期になるとエストロゲンの分泌が減少し、これが関節痛を引き起こす可能性があります。
エストロゲンは関節の健康に大きく寄与し、その減少は関節の潤滑や骨密度に影響を与えます。
その結果、関節痛や関節の硬さなどの症状が生じる可能性があります。
また、更年期は関節を構成する骨や軟骨の劣化、体重の増加、関節への過度なストレスなどが原因となって関節痛が起きることが多い時期でもあります。
こんな人は関節痛持ちかも?
関節痛の対策としては、まず体重の管理が大切です。
肥満は関節に余計な負担をかけるため、体重管理は痛みの軽減に寄与します。
また、更年期と上手く付き合っていくために、適度な運動をしつつ、バランスの良い食事習慣の徹底、十分な睡眠を摂るようにしてください。
推奨される運動
また、食事も大切な要素で、特に骨や関節に良いとされるカルシウムやビタミンDを摂ることが推奨されます。
<カルシウム>
歯や骨の重要な構成要素です。カルシウムが不足していると、骨の成長が促進されず、体に様々な症状がでやすくなります。
食材:大豆食品、乳製品、ごま、小松菜、チンゲン菜、干しエビ、ワカサギなど
<ビタミンD>
カルシウムやリンの吸収を促し、骨を丈夫にします。免疫や認知機能を調整する役割もあります。
食材:鮭、うなぎ、さば、卵など
また、痛みを緩和するための鎮痛剤やサプリメントの使用も一つの方法です。
漢方薬の服用も関節痛の治療として有効な対処法の一つです。
特に、補中益気湯や逍遙散は、女性ホルモンのバランスを整える効果があり、更年期症状を緩和し関節痛を和らげることに役立つとされています。
ただし、漢方薬は体質により効果が異なるため、使用前には必ず専門家に相談してください。
更年期障害と関節痛の理解は、これらの症状を自己管理し、より良い生活を送るための第一歩です。
自分の体を理解し、必要ならば専門家の助けを借りながら、更年期という人生の新たなフェーズを乗り越えていきましょう。