更年期障害は、女性が50代に差し掛かると頻繁に起こる症状の一つですが、その影響はホットフラッシュや気分のむらだけではありません。
実は、これらの体調不良は心筋梗塞のリスクを高める可能性があるのです。
本記事では、更年期障害と心筋梗塞の関係、そしてその予防法について詳しく説明します。
更年期障害は、女性の卵巣機能が低下し、エストロゲンというホルモンの分泌量が減少することにより起こる一連の症状を指します。
これにより、主に以下のような更年期症状が現れるケースが多くみられます。
一部の女性では、これらの症状が日常生活に影響を及ぼすほど重篤になることもあります。
心筋梗塞とは、心臓への血液の供給が遮断され、心臓の筋肉が十分な酸素を得られなくなる状態を指します。
これは主に、血液中の脂質が血管内壁に付着し、血流を阻害するアテローム性動脈硬化が原因となります。
重度の症状では、心臓の部分的な損傷や死に至る可能性があります。
エストロゲンには血管を広げる働きがあり、脂質代謝を促進することで心筋梗塞のリスクを低減する効果があります。
しかし、更年期になるとエストロゲンの分泌量が減少し、その保護作用が失われるため、心筋梗塞のリスクが高まる可能性があります。
また、エストロゲンが減少することによって、コラーゲンが体内で余り滞留してしまうようになります。
余ったコラーゲンが血管に張り付くことで血管を固くし(動脈硬化)、血管を詰まらせてしまう原因となります。
心筋梗塞の予防には、健康的な食事、適度な運動、ストレス管理が必要です。
食事面での対策としては、脂質の摂取を控えめにし、フルーツや野菜、全粒穀物を多く摂ることが推奨されます。
カフェインやアルコールの摂取もできるだけ控えましょう。
ウォーキングやヨガなどの適度な運動は、心臓の血流を改善し、血圧を下げるために役立ちます。
その他、睡眠時間の確保、ストレスの軽減も意識するようにしてください。
また、血中コレステロールが高くなってから、動脈硬化を引き起こすまでには約3~5年、動脈硬化が起きてから心心筋梗塞が起きるまで約10年の時間が平均的にかかると言われています。
健康診断や人間ドックで、コレステロール値・糖質異常症の有無を捉え、リスクを早い段階でキャッチするようにして下さい。
適切な理解と対策により、更年期の症状は改善可能です。
自分一人で悩まずに、医師との相談や情報収集を通じて、自分自身の更年期を積極的に乗り越えていきましょう。
自分に合った方法を見つけていくことで健康で元気な生活を取り戻しましょう。