更年期障害は、ホルモンバランスの大きな変化により体と心に大きな影響を及ぼします。
一部の女性は、これに伴い泌尿器・生殖器系の症状、特に尿漏れを体験することがあります。
この記事では、更年期障害と尿失禁の関連性について詳しく解説し、具体的な事例を通じて必要となる対策をご紹介します。
更年期は、閉経前後5年ずつの期間を指し、一般的には45歳~55歳前後のことが多いです。
更年期は体内のエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少し、それにより体や心に様々な不調が出現します。
この不調を「更年期症状」と呼び、更年期症状を抱える人の中で特に重い症状が現れる場合を更年期障害と言います。
更年期は全女性に訪れ、全女性の約6割に何かしらの更年期症状が発生します。
突然のほてりや頭痛、倦怠感、不眠といった身体的な症状に加え、落ち込みや不安、そして「いらいら」といった精神的な症状もあるため、更年期症状の具体的な症状は人により様々です。
更年期は、女性ホルモンの減少による膣の粘膜が弱り分泌物の減少、また骨盤底筋が弱ることにより、生殖器系や泌尿器系に様々な症状が起きます。
これを、泌尿器・生殖器系症状と言います。
<こんな症状に心当たりがある方は要注意?>
更年期には、ホルモンの変動により尿道や膀胱を支える組織の弾力性が失われます。
その結果、膀胱の尿の保持力が低下し、尿失禁が生じる可能性が高まります。
軽い運動やくしゃみをしただけで尿が漏れるような症状が起きることがあります。
咳やくしゃみ、笑った時、重い荷物を持った時など、お腹に力を入れた時に起きる尿漏れを、「腹圧性尿失禁」と言います。
「腹圧性尿失禁」は、主に女性ホルモンの低下による骨盤底筋のゆるみ・その他メンタルが主原因と言われています。
尿失禁の自己管理としては、骨盤底筋のトレーニングが効果的です。
骨盤底筋は、尿道や膀胱を支え、尿をコントロールするのに重要な役割を果たします。
これらの筋肉を強化することで、尿漏らしを防ぐことができます。
<骨盤トレーニングの方法>
その他、更年期と上手く付き合うための体作りを徹底することで、効果の改善が見込まれます。
生活習慣の改善事項
漢方薬は体全体のバランスを整える効果があり、更年期障害や尿失禁の症状の改善にも有効です。
「当帰芍薬散」は、血行を改善し、ホルモンバランスを整える効果があります。
また、「補陽益気湯」は体の冷えやむくみを改善し、膀胱の機能を高める効果があります。
しかし、漢方薬は個々の体質や症状によって適したものが異なりますので、専門の医師に相談することが大切です。
以上の内容を通じて、更年期障害と尿失禁の関連性を理解し、自己管理の重要性を認識していくことが大切です。
尿失禁の症状に悩まされている方は、専門の医師へご相談することをお勧めします。