更年期障害は、数多くの女性が人生の一部で遭遇する生理的な変化です。
しかし、その影響は単なるホットフラッシュや気分の波だけでなく、心身全体に及びます。
今回の記事では、更年期障害の根本的な原因とも言える自律神経と、副交感神経優位の症状に焦点を当て、詳しく解説します。
更年期は、閉経前後5年ずつの期間を指し、一般的には45歳~55歳前後のことが多いです。
更年期は体内のエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少し、それにより体や心に様々な不調が出現します。
この不調を「更年期症状」と呼び、更年期症状を抱える人の中で特に重い症状が現れる場合を更年期障害と言います。
更年期は全女性に訪れ、全女性の約6割に何かしらの更年期症状が発生します。
突然のほてりや頭痛、倦怠感、不眠といった身体的な症状に加え、落ち込みや不安、そして「いらいら」といった精神的な症状もあるため、更年期症状の具体的な症状はは人により様々です。
自律神経は私たちの体の無意識の活動を制御する役割を果たしています。
交感神経と副交感神経、この2つの部分で構成されており、これらは一種のバランスを保ちながら働いています。
交感神経は「戦うか逃げるか」の反応を引き起こし、ストレス状況を作り体を活性化します。
一方、副交感神経は「休息と消化」の反応を引き起こし、体をリラックスさせ、リカバリーを助けます。
しかし、更年期障害によりホルモンバランスが乱れると、この自律神経のバランスも乱れ、副交感神経が優位になることがあります。
副交感神経が優位になると、体がリラックスしすぎて様々な症状を引き起こすことがあります。
こんな方は副交感神経優位かも…
朝起きるのがとても困難になり、一日中疲労感が続いてしまうといった声も聞かれます。
更年期障害や副交感神経優位の症状の管理は、生活習慣の見直しを通じて可能です。
適度な運動を行い、特にウォーキングや水泳などの有酸素運動は、ストレスホルモンを減らす助けになります。
また、ビタミンB群やオメガ3脂肪酸、マグネシウムなどの栄養素を多く含む食事を摂ることで、ホルモンバランスと自律神経のバランスを改善することができます。
さらに、ストレスを軽減するためのリラクゼーション法、例えば深呼吸やヨガ、瞑想も有効です。
<ビタミンB群>
新陳代謝を高め、細胞再生を助ける。疲れを取る役割をもつ。
<オメガ3脂肪酸>
血液をさらさらにして、中性脂肪を減らす効果がある
更年期障害による神経系症状の緩和には、漢方薬も有効な選択肢の一つです。
例えば、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシジャコウショウニキョウトウ)は、心身の疲労、めまい、冷え症などの自律神経失調症の症状を軽減する効果があります。
漢方薬は体質や症状により効果が変わるため、自己判断で使用するのではなく、専門の医師と相談してから服用することをおすすめします。
更年期障害は女性の生活に大きな影響を及ぼすものであり、その中でも自律神経、特に副交感神経優位という状態は様々な症状を引き起こします。
しかし、適切な生活習慣の見直し、リラクゼーション法、漢方薬の服用などを通じて、その症状を管理することが可能です。
この情報が、更年期の女性が自分の体と心を理解し、健康的な生活を送るための手助けになることを期待しています。