更年期障害に伴う神経系症状、その中でもめまいは特につらい症状の一つです。
多くの女性がこの不快な症状に悩む中、どのようにして日常生活を快適に過ごせるかを知ることは大切です。
この記事では、原因から対策までを徹底的に解説します。
更年期は、閉経前後5年ずつの期間を指し、一般的には45歳~55歳前後のことが多いです。
更年期は体内のエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少し、それにより体や心に様々な不調が出現します。
この不調を「更年期症状」と呼び、更年期症状を抱える人の中で特に重い症状が現れる場合を更年期障害と言います。
更年期は全女性に訪れ、全女性の約6割に何かしらの更年期症状が発生します。
更年期に訪れる症状の例
更年期障害の神経系症状の一つに、めまいがあります。
女性ホルモンの分泌量の急激な減少は自律神経のバランスを崩し、それによりめまい、立ちくらみ、ふらつきなどを引き起こします。
特に、エストロゲンの急激な低下は脳の血流量を変化させ、それがバランス感覚を司る内耳に影響を与え、平衡感覚が乱れることにより起こります。
以上のような要因が更年期において経験する、めまいの原因と考えられています。
めまいは脳に関連する重篤な病気のサインである可能性もあるので、症状が重い場合はまず耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
めまいに対して効果的な対処法として、エクササイズにより平衡感覚を鍛える方法があります。
具体的には、バランスボールを使用したトレーニングや深呼吸を組み合わせたストレッチがあります。
まずはバランスボールに座りながら、腕を上げて深呼吸を10回繰り返してみることから始めてみると良いでしょう。
これにより、体の軸である体幹を鍛えるとともに、自律神経を整える効果も期待できます。
漢方薬も更年期のめまいを緩和するための一つの有効な手段です。
東洋医学では、めまいは「水」の巡りの滞り、「血」の不足が原因であると考えます。
「当帰四逆加人参湯」は、「水」の流れを整え、めまいや頭痛、心悸亢進などの自律神経失調による症状を緩和する作用が確認されています。
また、「当帰芍薬散」は血を補い、血の巡りを良くする効果があるため、めまい改善にも効果があります。
体質や症状によって適した漢方薬は異なりますので、漢方薬を使用する際には必ず専門の医師に相談してください。
食生活の乱れもめまいの原因となり得ます。
特に塩分や糖質の過剰摂取は、血圧や血糖値の変動を引き起こし、めまいを引き起こす可能性があります。
バランスの良い食事や、毎日の水分摂取を心がけることで、症状の予防や軽減が期待できます。
近年の研究で、ストレスとめまいの関連性が指摘されています。
特に、仕事や家庭の問題などのストレスが長期間続くと、自律神経が乱れやすくなり、めまいに繋がることがあります。
リラックスする時間を取る、好きなことをする、適度な運動をするなど、日常生活でのストレス対策が必要です。
更年期障害のめまいは、日常生活を大きく左右することがあります。
しかし、食生活の見直しやエクササイズ、漢方薬の摂取などを通じて、その症状を軽減が期待できます。
継続的なケアと正しい知識が、より良い更年期を迎える鍵となります。